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131:自他をより良く変える21日行の勧め

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心理学説に、人生とは、居甲斐と行き甲斐で成り立っているとあります。
居甲斐とは、居ることが楽しみや喜びであり、行き甲斐とは進歩や達成に楽しみや喜びのあることですね。

家庭は安らぎの場、職場は自己実現の場ですが、家庭でも職場でも居甲斐と行き甲斐は有るべき大事な要素です。
然るに、家庭でも職場でも、はたまた近所や趣味の関係でも、人間関係がストレスやトラブルの因となってる場合が多いものです。

確かに嫌われたり、憎まれたりしてると、反感、反発を被り、邪魔や妨害を受けたりして、居甲斐も行き甲斐も阻害されるものです。
しかし、如何に善人や良い性格であっても、容姿が如何に整っていても、人は万人には好意を持たれません。^^;
目上や周囲の目を気にして、誰からも好かれようとすると、必ずそれはストレスになり、いつか破綻するものです。

世の中、3・4・3(サシミ)の法則が働いているものです。
会議や提案には、無条件なら3割が賛成し、3割が反対し、残り4割がどっちでもない、どっちでもいい人たちです。
好意、好感も同じく3・4・3の法則がありますので、会議の理論と同じく反感を持っていない4割の人を味方にすることが有利ですね。

密教では、人の業(習慣の集積)は、身口意(しんくい)の三密で成り立っているといいます。
身(しん)とは、姿勢、態度、表情、しぐさ、行動パターンなどを指します。
口(く)とは、言葉、語調、口癖、声などを指します。
意(い)とは、意識、想い、考え、イメージなどを指すものです。

3割以上の人に嫌われる人、好意を持ってもらえない人などは、多くの場合、人に不快感を与える身口意があるものです。
その三密は、意識しない習慣になっていますので、無意識にして損を被ってる人も多いことですね。

例えば、身の表す表情一つを取ってみても、人は自分の顔が今、相手にどう映っているかは意識してないものです。
ハの字に口角が下がっていると、心理的に不平、不満や頑固、拒否を表します。
眉が寄り、額にしわを寄せていると、神経質な頑なさを表し、相手にも緊張を与えてしまいます。

姿勢一つでも、顎が上がっていると、目線は人を見下げるように映り、傲慢な印象を与えてしまいます。
猫背に背中が曲がっていると、小心、消極的、陰気を表しますので、明るさに欠け、暗い印象を与えてしまいます。
腕組みは男性度や思慮も表しますが、元来は内臓を守る防御姿勢で、他に打ち明けたり、他を受け容れない頑なさを印象付けている場合が多いものです。

自分にその気がなかっても、無意識になっている習慣で対人面で損をしているケースは多いものですが、なかなか気づきのチャンスはなく、周囲も指摘や助言はしてくれませんね。
そうした無意識な不利益な習性のある人は、意識して新しい習慣を作り、定着することが業の解脱となります。

人は生物ですので、その命題は、適応と進化にあります。
移ろって行く現状に適応でなければ自分が滅びますし、親より子が、師匠より弟子が進化しないと文化も滅びるでしょう。

周囲や情勢が変わるのを根拠なく待つのではなく、自分を少し変えることによって、周囲や情勢により適応でき、未来を変えることもできます。
以前の自分より、より良く成長し、適応していることが進化にも繋がります。

意識的反復が習慣となるのですが、最初の3週間、21日が習慣の初期化の要となります。
あることを毎日意識して、先ず21日間成し遂げることを、「21日行」と呼んでいますが、行を通じて自律の力や新しい気づき、状況や情勢の好転が生じることが多いものです。

誰でもできる簡単なことで、効果のある21日行をいくつかご紹介しましょう。
知識としてただ知っておくのではなく、実践し、実体験を通じて、気づきや効果を得てください。

自身の見事化のためにも、周囲をより良い居甲斐と行き甲斐ある環境にするためにも、実証的効果のある方法を選んでみました。
これらは、私が多くの社員研修や接遇研修などで実際に行ってきた方法で、良い効果のあった方法の一例です。

☆「挨拶の行」
挨拶は社会的マナーの基本で、人とコミュニケーションをとる上で大切な行為ですね。
しかし、声を掛ければいい、会釈をすればいいというものではなく、気のない挨拶は好意どころか反感を買うこともあります。^^;
挨拶は社会的に好意を示し、敵意を持ってませんよという意思表明のはずですが、挨拶を音魂的に因数分解してみましょう。(笑)
あ・・・アカルク!
い・・・イキイキ!
さ・・・サワヤカに!
つ・・・ツキ合いましょう!
家庭であろうが職場であろうが、飲み屋であろうが(笑)挨拶のない場に、好意の輪は広がりません。
朝一番の挨拶でも言霊なき「おはよう」は崩れ乱れ、「おはぁ。」「おはっす。」「お~す。」などの音は、たいてい場にも人にも届かない籠もった響きになってますね。
挨拶をするときは、意識して先手を打って、笑顔とともに、2倍の大きさの声を出すことです。
「おはよう。」、「こんにちは。」「いってらっしゃい。」「ごくろうさま。」「ただいま。」などなど、相手に掛ける言葉に、意識をこめて笑顔を向けることが重要です。
また2倍の声を意識して出すことで、あなたの挨拶は場にも届いて、周囲にも良い波動を伝えます。
あなたの笑顔が、挨拶した相手から返って来るようになれば、その挨拶は見事な効果を発揮します。
一日10回意識して、その都度回数と反応をチェックしながら、21日行を完行してみてください。

☆「返事の行」
人に問いかけられたら、「ハイ。」と返事するのが、公的なマナーですね。
職場は特に公的な場ですが、ややもすれば、上司が部下に問いかけられて「ハイ。」と返事してなかったり、同僚同士でも「ウン。」とか「何?」とかで返してることが多いものです。
それでは公的な場であり、自他の長短所を受け容れ、協力し合い、切磋琢磨して自己実現して行く場としては、見事とは言えませんね。^^;
返事の「ハイ」は、「拝聴」の「拝」が語源だといいます。
「拝」という字の意味は、「丁寧に敬礼する」、 「有難く受ける」という相手を敬う気持ち、相手の呼びかけを感謝して受け取る気持ちを表す言葉です。
したがって、返事に立場の上下関係はないのです。
誰に問いかけられても、返事は「ハイ。」と好感音で伝えましょう。
ト音記号の中心音、ドレミのソの音が、相手や周囲に好感を伝える好感音です。
電話の時もそうですね。
電話の着信音が鳴って受け取るとき、「モシモシ」ではなく、「ハイ。」で受け取るのが基本です。
「モシモシ。」は、「申す申す」で、英語の「ハロー、ハロー。」、フランス語の「アロー、アロー。」、韓国語の「ヨボセヨ。」と同じ。
「ハイ。」で受け取られても、極度に低い音だったりすると、不機嫌、不快を伝えてるようなものです。^^;
自分の音程で良いので、明るく「ハイ。」と返事するだけで、人に好感を持って受け入れられるものです。
「ハイ。」という明るい返事を多用すればするほど、心理学上、人の心は素直になっていきます。
会社の上下関係もそうですが、家庭でも親子、夫婦の関係で、素直な受諾はできていますか?
家庭でも、職場でも、相手を変えるには先ず自分が変われが鉄則です。
1日10回、意識して、どんなときでも、誰からの返事にも、好感音で「ハイ。」と答えてください。

☆「感謝の言行(げんぎょう)」
アサヒグループホールディングスが家族への感謝に関する意識調査を実施したところ、家族に感謝の気持ちを「十分伝えている」と回答した人は26.9%でした。
一方「あまり伝えられていない」(55.5%)と「伝えられていない」(17.6%)を合わせ、7割以上(73.1%)の人が心で思っていても、家族に十分に感謝を伝えられていないことが分かりました。
感謝の気持ちを伝えたい相手のトップは「夫または妻」(65.1%)でした。
世代別では20代から30代で「実母」がトップ(20代では69.5%)となりました。
どうも日本人というのは、対外的にはよく感謝の言葉を伝えても、身内に対しては、気恥ずかしさが立つのかあまり「ありがとう」を多用してないようですね。
「有り難し」が「ありがとう」の語源ですが、多国語にはない深い意味合いのある美しい言葉だと思います。
夫婦生活や家族生活をはじめ、他人とも共同生活や共同作業が長くなるにつれて、人はたいていは段々と「してくれて当然」「やってもらって当たり前」と感じるようになるものです。
しかし、語源の「有り難し」を考えると、何かをしてくれてありがたい以前に、本当は相手が居てくれてありがたいことなのです。
「ありがとう」という言葉は、相手の存在を肯定しているということであり、感謝とともに認めているという言葉となります。
夫婦仲が危なくなるのは、「ありがとう」を言わなくなってからだといわれます。
逆に、「いつもありがとう」と言い続けているうちは、少なくとも、夫婦仲が悪くなる方向に傾くことは絶対にありません。
声と言葉には力があり、相手の心を揺れ動かす作用があります。
感謝の言霊は、使えば使うほど、自分にもまた作用・反作用の法則で返ってくるものです。
特に何でもないようなことが幸せであることなのですが、幸福感が鈍くなり、あまり居甲斐や歓びを感じなくなるほど、苦や負の感情は起こりやすくなります。
「感謝の言行」は、一日10回、意識して家族や身近な人達に「ありがとう」を口にすることです。
お釈迦様は、自ら経文などは書かず、身分差、教養差を問わず老若男女にライブ活動で、生きる教えである仏教と説きました。
その教えは彼の指示通り東へと伝えられ、漢字圏の中国を経て、極東の国、日本へ伝わったものです。
「叶う」という言葉を調べると、「仏語」とあるのがその名残ですね。
一日10回口にした言葉が、今の自分を作り、今から一日10回口にすること言葉がやがて現実となるのだよ。
記憶学者エビングハウスは、その記憶曲線理論の中で、人は同じ言葉を同じ口調で6回繰り返して、初めてその62%を理解し、記憶すると述べています。
足ることを知る「知足」は幸せには不可欠の条件ですが、自らの積極的努力でも不足を知るなら、足して行きましょう。
「ありがとう」を言おうと手ぐすね引いてた待ち構えているのに、チャンスがなかったと諦めないように。^^;
いつもしてくれて当たり前と思うこと、それこそがチャンスで、「ありがとう」を口にしてみましょう。
指摘や批判と思えるような投げかけでも、「ありがとう」は万能の返し言葉で、呪詛返しにもなる言葉です。w
「そんなにお酒、飲まないで!」や「ほら、また散らかしてる。」にも「ありがとう。」
「バッカじゃないの。」にも、「ありがとう!」。w
「ありがとう」を言い続けると、調和力が働いて、怒気も不満も和らいでいくのが実感できますよ。^^v