「黄帝内経(こうていだいけい)」は、中国の伝説上の帝王である黄帝と、臣下であり師である岐伯(ぎはく)との問答形式で書かれている古典の名著です。
その理論は、科学技術の発達した今日においても、大きな役割を果たしており、漢方、気功、鍼灸、按摩などの東洋医学や風水、易のルーツとして、バイブル的存在といって過言ではありません。
この書物は、「素問(そもん)」と「霊枢(れいすう)」という
2つに分かれています。
「霊枢」は、別名「鍼経」とも呼ばれる通り、経絡や鍼灸を学ぶ者には、欠かすことのできない理論と実践の書です。
この第43編に、「淫邪発夢」という病理論が説かれています。
夢の内容によって、病や気の状態が、どのようになっているのかが書かれていますので、興味のある方、臨床を学ぶ方にご紹介しましょう。^^v
はてさて、あなたの昨日の夢は?また、最近、時々見る夢は?
岐伯先生、よろしく。^^
「はいはい。お答えしようぞ。
陰気(寒気)が多くなって、身体が冷えている人は、大水の流れる河を、恐れながら渡る夢を見る。逆に、陽気(熱気)が多くて、身体に熱がある人は、大火事の夢を見るもんじゃ。
上半身に気が多くなっているときは、空を飛ぶ夢を見る。
反対に、下半身に気が多くなっているときは、墜落する夢を見るぞえ。
空腹のときは、物を取る夢を見、満腹のときは、物を与える夢を見るもんじゃ。
五行の気の過多にも触れておこうぞ。
木:肝気が盛んなときは、夢の中でよく怒る。
火:心気が盛んなときは、夢の中でよく笑うか、あるいは恐れる。
土:脾(胃)気が盛んなときは、夢の中でよく歌い、あるいは楽しむか、また、身体が重くなる。
金:肺気が盛んなときは、夢の中でよく泣き悲しむ。
水:腎気が盛んだと、腰と背が離れる夢を見る。
以上、各部の気が盛んになって邪気となっているので、治すにはその部の気を瀉(しゃ)=排出するとよいのじゃ。
気が不足するのを、虚(きょ)というが、五臓の気が虚すると見る夢もお伝えしよう。
肝が虚すと、山林や樹木の夢を見る。
心が虚すると、山火事の夢を見る。
脾が虚すと、丘陵や沢、あるいは風雨に遭う夢を見る。
肺が虚すと、飛び上がったり、金属に関係する夢を見る。
腎が虚すと、水中に没する夢を見るもんじゃ。
五行五腑については、このようになる。
木:胆の気が虚すると、人と争う夢を見る。
火:小腸が虚すと、都市の夢を見る。
土:胃が虚すと、飲食する夢を見る。
金:大腸が虚すと、田畑の夢を見る。
水:膀胱が虚すと、旅行する夢を見るもんじゃ。
以上、虚する場合は、これを補ってやれば、治ってしまうのじゃよ。
さて、龍伯君、貴公の昨夜の夢は如何?」
ええ?私の昨夜の夢ですかぁ?ふむう・・・まさに・・・淫邪発夢。(違爆)
言えない夢だったもん。悶々。。(自爆!)