ヒーリング

43:呼吸を良くするセルフケヤー法

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東洋医学では、気・血・水の循環を基本の大事としています。
このところ、気を電子電位の観点から、水を脳脊髄液やリンパ液を含むファシア(結合組織)の観点から捉えて、如何に良く循環させるかを考えてきました。

関節の可動域制限を解除したり、痛みや硬結のある筋肉を緩めることは当然ですが、部分的ではなく、全身の血流を良くすることも大事となります。
それには、呼吸を整えることが要となりますが、深呼吸だけでは血流が良くなりません。^^;

そこで、まずは一次呼吸を整えることですが、一次呼吸とは胎児からしている呼吸で、脳の呼吸と呼ばれています。
この1次呼吸は基本的に1分間に約15回のペースで行われています。

ところが、同じ姿勢を保つ時間が長かったり、ストレスを抱えた状態が続くと確実に1次呼吸のリズムが崩れます。
この状態を放っておくと、脳脊髄液の流れが悪くなり身体の中の老廃物を排出できないし、身体に必要な栄養素を必要なところが吸収できなくなります。

1次呼吸を調節することによって、脳脊髄液の循環が良くなります。
同時に自律神経も一緒に調節出来るので、だるさや痺れ、内臓の疲労などにも効果があります。

仰臥でSLR(脚上げテスト)をすると、どちらかの脚が重く上げにくく感じることはありませんか?
このとき、100均の座布団をくるくる巻いたものでもバスタオルでも使って、後頭部の盆のくぼの下に敷き、頭頂の方へ軽く引き上げてから顎をやや上に向けます。

顎を上向ける角度次第で、SLRテストで足が軽く高く上げられるアングルがありますので見つけてください。
角度が定まれば、手足は下に垂らして全身の力を抜き、4秒吐いて4秒吸う呼吸を90秒から2分も続ければ、枕を取り去っても再テストで軽く脚が上がるようになっています。
これは、硬膜整体の技法です。

ベストの顎上げアングルが分かり、慣れてくると、敷き枕は使わず、両手を後頭部に回して4指の第1関節を合わせて、人差し指を盆のくぼに当てると中指以下が後頭隆起の下斜面に当たります。
このポジションのまま、顎をベストアングルに上げたら、身体の力を抜いて頭の自重を指先で支え、4秒吸って4秒吐く呼吸を繰り返します。

目は閉じて、90秒から2分行うと、最終汚血と言われる頭蓋骨内の静脈洞の汚血を流す効果も加わります。
クラニアルテクニックはかつて私も3年学びましたが、一時呼吸を捉えることが難しかったところ、4秒呼吸によって一次呼吸を誘発できることが分かって施術が進化出来ました。w

2次呼吸は普段私たちがしている普通の呼吸です。
ですが、巻き肩などで胸肋骨が動きを制限されてると、肺が十分に動かず、本来必要な酸素も不足しがちになります。

低い枕に頭を乗せて仰臥すると、肩が浮いて背中と床の間に指が入るなどの隙間はありませんか?
これすなわち巻き肩になってる証左で、2次呼吸に支障があることになります。^^;

身体に無理なく十分な酸素が取り込める呼吸ができると、さらに3次呼吸という全身の細胞レベルの呼吸ができ、ミトコンドリアが活性して、生命エネルギーが強くなり、免疫力や治癒力が高まり、筋出力も向上することになります。

巻き肩を直し、胸鎖関節や胸肋関節を整えることで、普段の2次呼吸から3次呼吸にまで呼吸力を高めましょう。
元気で病気知らずのお年寄りは、巻き肩なく姿勢の良いもんです。w

施術される方が気持ち良いのですが、セルフでも方法はあります。w
100均でテニスボールやゴルフボールが売ってますので、それを使うとやりやすいです。w

仰臥して、まず片方の肩甲骨と背骨の間にボールを敷きます。
背中でボールを押し付けたまま、ボールを置いた側の腕を真っ直ぐ天井へと伸ばします。

掌は足先方向よりも内側方向へ向けた方が効果的です。
この姿勢から、ゆっくりと5秒かけて腕を真横へ床へと下ろして行きます。
この動作を5回ほど続けた後、肩に浮きがないかを再テストすると、巻き肩が直ってることが分かります。

これを左右やってみた後は、呼吸が楽になり、身体の色々な可動域検査や筋出力検査をしてみれば、諸々の改善が見受けられるでしょう。w
就寝前に行えば、睡眠の質も向上でき、出勤前に行えば、ストレスにも強くなり身体のパフォーマンス効果も上がります。

猫背の人や肩こりのある人では、肋椎関節が詰まっていることがほとんどです。
胸郭が固まっていると、呼吸が浅くなり、睡眠時にも十分な酸素が取れずに、睡眠の質が悪くなったり、自己治癒力が落ちてしまうことになります。

これにも良いセルフケヤー法があります。
座っても立ってもできる方法ですが、先ずは立位でやってみましょう。

肩幅程度に立って、両足の裏を床にしっかりつけて、胸の前で腕をクロスし、両手の指の腹でしっかりと鎖骨の下を捉えます。
両手の指で肋骨前の筋肉を下へ引き下げ、首を上に反らせて10秒間キープします。

次は、指を下にずらせて、また同じように皮膚・筋肉を引き下げて、首を上に反らせて10秒キープします。
このように鎖骨下から3か所ほど、下へ順に指を引き下げ、その都度首を上に背屈させれば良いだけです。

呼吸がしやすく深くなるだけではなく、万歳をするような肩の可動域検査、姿勢なども良くなることが証明されています。
睡眠の質向上のためには、眠る前に行うことが効果的です。

気・血・水の循環を良くして、心身の調子を良くし、健康の本当の意味、「健体康心」を目指しましょう。^^v