風邪には葛根湯(かっこんとう)、あまりにもよく聞く言葉ですね。
しかし、例えば、肩こりのひどい方が用いるには、普通に食間に一服で良いのですが、
急性感冒の場合には、補うのではなく、邪気を寫(しゃ)することが必要なので、服用の仕方が異なります。。
葛根湯は、寒気や悪寒を感じ、肩や首・腰などが痛んだり、発熱や頭痛がある風邪に繋り、
汗が出ない症状のときに、劇的な効果がある漢方薬です。
その用い方は、食間、一気に3服、一日分をまとめて飲んで下さい。
身体を温めて、首筋にタオルでも巻いて、布団に籠もって、汗がどっと出たら、風邪は抜けてしまいます。
それでも汗が出なければ、30分もすれば、再び一気に3服を用います。
3日分の用量を、一日で使い切るつもりで、攻めてやれば、風邪は治ります。
もしも、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどを伴う鼻風邪の症状ならば、用いるのは葛根湯ではありません。
そのときは、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を用いて下さい。
アレルギー性鼻炎や花粉症などで、鼻や目に炎症が起きている人に用いるのは、
食間1服ですが、急性感冒に対しては、寫の理論で、上記のような用い方をすることです。
よくこじれる風邪は、咽喉風邪で、のどや気管支の痛み・咳や痰がいつまでも続くことが多いものです。
のど風邪に対しては、木防巳湯(もくぼういとう)と麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を2服ずつ併用することが、
よく効く用い方です。
風邪の邪気は、多く、汗をかけば、追い出すことができるのです。
もしも、発熱して汗が出て、身体の痛みや頭痛があったり、吐き気や下痢のある腹風邪にかかった場合には、
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を2服用いることが、大変効果があります。
手当てに勝る手遅れなし、です。
これらの漢方薬は、常備しておいて欲しいものですね。