今日17日から、春の土用に入りますね。
土用は、立日前日までの18日間だから、5月6日の立夏になるまでは春の土用
期間になります。
「土旺用事」の略が「土用」ですから、五行の土気が旺じる(盛んとなる)期間
です。
気が過不足すれば不調が生じますので、土用の期間は脾・胃つまり消化機能や消
化器官に不調が生じないよう注意しましょう。
自然の恵みの中で生活してきた古来の人たちは、土用の期間は土を休めることを
大事にしていました。
基礎工事や土木工事、植樹、井戸掘りなどが、土用期間は禁忌とされてきたのは
このためで、今でもれっきとした工務店や造園業店では守られている風習です。
18日間、1年で4回も工事ができないのは不便なので、例外とする間日が設け
られました。
春の土用は、巳、午、酉の日が間日となりますので、4月18,26,27,3
0日が間日です。
古く陰陽道では、普段は規則に則って遊行している土公神(どくじん)が、土用
の期間は土中で休んでいるので、それを犯すと怒りに触れて災いが起こると説き
ました。
土公神というのは、「土の気」の化身であり、土を司る神様です。
1年の約2割に当たる期間、土を触れないのでは、農業や建築、土木に携わる人
にとっては不都合極まりません。^^;
そこで、土用期間中、数日は文殊菩薩が土公神を天上に呼び寄せて、土を触って
も良い日を作ってくださったのだとか。w
ほとんど民話やおとぎ話のような由来ですが、自然を大切にしてきた古来からの
人たちが土を休める期間を設けたのは、自然への畏敬であり、配慮ですね。
陰陽五行では、「土の気」は、万物を保護して育てる性質を持つといいます。
こうした「土」の性質から、土用の期間は、新しく迎える季節の気を育む期間と
されています。
人体でも「土の気」を休ませるべく、土気に属する脾・胃の消化機能を酷使しな
いよう配慮するのが良いですね。
五行の土気は、五味では甘味に当たりますので、でんぷん・糖質を控えることが
よろしかろうかと。w
土剋水で、水気は腎に当たりますので、でんぷん・糖質の摂取がその人にとって
過剰に傾けば、糖尿病や腎臓疾患を引き起こすのは、この理によるものです。
ある意味、土用に土いじりをするより、タタリあることかもしれませんえ。w
また、土用は季節の終わり目に当たりますが、6か月前の対冲の期に摂った栄養
は枯渇しているので、例えば春の土用ならば、秋の気のあるものを摂ることが食
養とされました。
夏の土用は未月なので、対冲の丑の日に、玄冬の色である黒い物を摂る風習はそ
うした理があります。
丑にちなんで、「う」のつくものを食べるのが縁起食です。
ウナギは「う」がつき黒いので、夏痩せしたウナギでも精が付くと、「土用の丑
の日、鰻の日」などと喧伝した平賀源内の仕掛けた呪(しゅ)は今も効いてるよ
うです。w
春の土用なのに、スーパーなどで、「本日は丑の日」とウナギを売り出すのは釈
然としませんが。^^;
この伝でいうなら、春土用は辰月ですので、6か月前の十二支の戌にちなんで戌
の日に「い」のつくものを食べるのが縁起食になります。
また、春の終わりには枯渇している、秋の金気に当たる白いものを食べることが
食養となります。
白いものなら、しらす、大根、ウド、豆腐などが挙げられますが、消化を良くす
るのは大根おろしが適しますし、土剋水で水気が損なわないよう、水気に当たる
大豆製品の豆腐を食するのも適しています。
「い」のつくものなら、いわし、いか、インゲン豆、芋、いちごなどが挙げられ
ますが、現代の陰陽師、そうした縁起食には拘りません。
ちなみに、春の土用期間の戌の日は、4月19日と5月1日になります。
縁起に拘るなら、「い」のつく白いものなら単にイカとかイワシとかを食べれば
よいのでしょうが、五行の理を図るなら、イカ納豆とか、イワシの水煮缶の大根
おろしポン酢掛けとか、煎り大豆とか、白いんげん豆の白だし煮とか。w
占いの流派によると、土用期間は旅行も避けるべきだというのがありますが、私ゃ
別に気にせんけど。w
土用殺と称して、春の土用は南東への移動が禁忌とされますが、現代の陰陽師、
それも別段怖れません。w
気に掛けたり、不安に思うことが、素粒子となって働き、負の事象を招きますの
で、気がかりで案じる方は、方除けの符を持つと良いでしょう。w
東洋医学漢方には、秋病春治、冬病夏治などという根治法があって、十二支運気
律上も6か月後の対冲月には変化作用が生じます。
10月から冬にかけて症状の出る人は、今からが体質改良や根治の最も効果的な
時期といえます。
土気の万物を保護して育てる性質が旺じる土用の期間は、悪因子を破壊し、良因
子を再生する土気の力を利して、半年先の健康のためにも活用したいものですね。
土の力といえば、東福寺塔頭同聚院の十万不動とか、宇宙の虚空蔵菩薩に対して
大地の大慈大悲を表す地蔵菩薩を、土用の連休に訪ねて祈念するのも良いかも。
w
神道では、大国魂神(おおくにたまのかみ)が大地の神で、巳と未の守護神です
ね。
十二支守護では下神神社の言社(ことしゃ)が有名ですが、大国魂神は、近くな
ら広隆寺のある太秦(うずまさ)の「蚕ノ社(かいこのやしろ)」に祀られてい
ます。
蚕の社は、「木嶋神社」とも呼ばれますが、正式名称は「木嶋坐天照御魂神社
(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)」。
うちらは、フツー、蚕の社と呼んでますが。w
広隆寺の東にあり、太秦森ヶ東町にあるのですが、境内の原生林が広がる一帯を
「元糺の森」と呼び、その森の東側付近を指す町名です。
平安京はるか以前の昔、平地が広がるこの一帯に、こんもりと巨樹が生い茂る森
がまるで島のようであったことから、「この島」と呼ばれたそうです。
広い境内の神社ですが、元糺の池(もとただすのいけ)の中に、珍しい三柱鳥居
があり、知る人ぞ知る京のエネルギースポットです。
この三柱鳥居の方位が、稲荷山・松尾山の冬至線、比叡山四明岳・愛宕山の夏至
線に関係すると見て、境内の元糺の池に日が差すという構造から、朝鮮半島の日
光感精型の信仰に基づく半島系の太陽神(日の御子)を祀ると推察されています。
ここも、十万不動の同聚院と同じように、あまり人が訪れないので、落ち着いて
過ごせるのが良いですね。
連休の遊行も良いけれど、私はあまり、人混み、ヒトゴミは好きくないですから。
w
連休にもし会員さんたちの要望があれば、静かで清浄なエネルギー場を訪れたい
ものです。
さて、本日は水曜会です。
土用の入りに当たり、あれこれ考えつつ、今日のメニューは以下の12品です。
1.ホウレン草と豆腐のワサビ・山椒白和え。
2.刻みオクラの湯引きと納豆の和えたん。
3.サバの水煮缶、フレンチドレッシング和え、ブロッコリースプラウト掛け。
4.イカげそ(モンコウイカ)と千切りタケノコのバター塩コショウ焼き、パセ
リを散らして。
5.豚ロースの生姜照り焼き。
6.干し大根、刻み揚げ、蒸しサラダ豆の炒め煮。
7.ヒジキ、ブナシメジ、蒸し大豆の炒め煮。
8.鶏胸肉の生ハムと茹がきブロッコリー、辛子明太子マヨネーズと焼き海苔を
添えて。
9.丸ごと玉ネギ、タケノコ、牛こま切れ肉の生姜煮込み。
10.京絹揚げのバター焼き、クルミ味醂味噌を添えて。
11.合挽ミンチ、ホワイトブナピー、エリンギ、マイタケのキノコ肉味噌。
12.アタリメの直火炙り、レモンと一味マヨネーズでも。
(これは、炙りたてを割いて食べるのが一番かと。w)